1935年/白黒/原作ジョン・バカン/脚本チャールズ・ベネット/出演ロバート・ドーナット、マデリン・キャロル、ルシー・マンハイム解説:「巌窟王」のロバート・ドーナットと「世界は動く」「空襲と毒瓦欺」のマデリーン・キャロルが主演するもので、「暗殺者の家」のアルフレッド・ヒッチコックが監督に当たった探偵映画。原作はカナダの総督で、冒険小説家のジョン・バッカンの小説で、チャールズ・ベネットが脚色している。撮影は「ユダヤ人ジュス」のバーナード・ノウルズの担当。助演俳優は「化石騎士」以来久々のルチー・マンハイム、ゴッドフリー・タール、ペギー・アシュクロフト等のイギリスの中堅俳優が顔を揃えている。
ストーリー:ロンドンのイーストエンドの或る寄席に、最近カナダから帰ったハネーは入った。舞台にミスタ・メモリーと称する記憶の達人が客から出され凡ゆる質問に答えて居た。其の時突如一発の銃声が起こった。観客は舞台を後へに出口へ殺到した。ハンネーは自分の身体にぴたりとついて来る女に助けを乞われ、自分のアパートへ取りあえず同行した。女は灯をつけるな、と頼む。そして女が言う通り、街角には怪しい男が二人立っている。女は自ら国際スパイであると語った。イギリスの国防に関する秘密を某国に売ろうとしているスパイ団を追跡中、寄席まで跡をつけた処を敵に感づかれ、ピストルを発射して混雑に紛れて逃げたのである、という。此の事件の首謀者はスコットランド高原に居る、小指の無い男で、彼女は其処へ急行するのだ、ということである。ハネーが一寝入りした所へ女が倒れて来た。その背にはナイフが立っている。「私の代わりにスコットランドへ行って下さい。」と言うと女は絶命した。ハネーは女殺しの下手人と目されることは必然である。当のスパイを捕らえて身の潔白を証明する外はない。ハネーは未明のスコットランド行の急行列車に乗り込んだ。
ヒッチコック登場シーン:ロバート・ドーナットとルッチー・マンハイムがミュージック・ホールを逃げ出すシーンでゴミを捨てる男
