農夫の妻

The Farmer’s Wife/1928年/ブリテッシュ・インターナショナル・ピクチャーズ作品/白黒/無声/制作:ジョン・マックスウェル/原作:イーデン・フィルポッツ/脚色:アルフレッド・ヒッチコック/撮影:ジャック・コックス/出演:ジェームソン・トーマス、リリアン・ホール=デイヴィス

農夫の妻 – 解説

イギリスの劇作家イーデン・フィルポッソのヒット戯曲の映画化である。主人公が自分を理想的な結婚相手であると思いこむことから起こる田園喜劇で、ウェールズ地方の風景や風物の描き方や、そこから醸し出させる雰囲気に味わいを見せ、単純・素朴な作風であっても、それがほほえましい。

農夫の妻 – ストーリー

アップルクラス農場の主、男やもめのサミュエル・スィートランドは、一人娘を嫁に出し、寂しい思いをしていたが再婚を決意。住み込みの女中アラミタに相談を持ちかける。彼は、貴族の未亡人、未婚の農場主、女性郵便局長、それに居酒屋の女主人の名を上げるが、アラミタは不服そう。実は彼女は心ひそかにサムを想っていたが、まさかそれを口に出すわけにはいかない。サムは一本調子の男臭さで初めの三人に求婚するがいずれも断られて意気消沈し、最後の女主人には結局何も切り出せずにすごすご帰宅。そこでようやく“灯台下暗し”、美しく働き者のアラミタの存在に気づいたのだった。