第17番

Number Seventeen/1932年/ブリテッシュ・インターナショナル・ピクチャーズ作品/白黒/制作:ジョン・マックスウェル/原作:ジェファースン・ファージョン/脚色:アルフレッド・ヒッチコック/撮影:ジャック・コックス/出演:レオン・M・ライオン、アン・グレイ

第17番 – 解説

当時イギリスで有名だった舞台俳優レオン・M・ライオンのために書かれた戯曲からの映画化で、映画でも彼は主人公のベンに扮している。非常に安い制作費でつくられた喜劇だが、前半の廃屋のシークウェンスやサスペンス描写はとくにすばらしく、階段の描写や列車のミニチュアー・セットの使い方はヒッチコック的な完成の域に近づいたといわれた。また後半、列車をふんだんに使っているのもヒッチコックらしい。

第17番 – ストーリー

宝石泥棒を追っていた刑事は「第17番」と呼ばれる廃屋に来てベンという謎の男を、ついで女の死体を発見した。殺された女は父親を探していたことがわかる。宝石争奪戦の結果、三人の泥棒たちが貨物列車で逃げ出したため、刑事とベンは追跡した。途中、啞を装う冒険好きな若い女に出会って、ベンは彼女にひかれる。そして貨物船に列車がぶつかり、ベンと女だけが溺死からまぬがれた。実はベンは探偵であった。